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入試英語の変遷(1) リスニングテスト導入

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634seminar(1)

昔々、共通1次の頃からリスニングテストの導入は検討されてきましたが、設備等が整っておらず公平性を保てないという理由で見送られてきました。1990年にセンター試験に代わっても同様の理由で見送られていたのが、急転直下2003年になって行政主導で導入が決まり、2006年から実施されるようになりました。

そのスピードは80wpm(※wpmとは words per minute の略で、1分間に理解できる単語数のこと。)からスタートし、年々少しずつ速くなっていきました。当初の計画では、最終的に120wpmまで上げる予定でしたが、100wpmまで上がった年に苦情が殺到したのです。これ以上スピードが速くなると、多くの高校生は誰も英語が聞こえず試験の意味がなくなると、全国の高校の英語の先生や校長先生が文部科学省に抗議をする事態に発展し100wpmまで上がったところでストップしました。

実は、120wpmというのは Voic of America (略称VOA)という短波放送ラジオが流れるスピードです。VOAはアメリカの国営放送で、世界中にアメリカ合衆国を紹介するための放送局です。英語を母語としない人々に向け、平易な語彙と文法を用い通常の英語の3分の2のスピードで放送されています。英語が苦手な日本人がせめてVOAが聞こえるようになってほしいという願いから、リスニングテストの導入に慎重だった文科省に対して政治家たちの主導で急遽導入が決定したのです。

(つづく)

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