明治時代の初め頃、英語教育に「正則教授法」と「変則教授法」という2種類の方法がありました。
明治初期、開学したばかりの東京大学では英米人の教授を招いて授業が行われていて、英語を話せないと東大で授業を受けることはできませんでした。そのため当時、東大に入るための英語塾がありました。そこで指導されていたのが「正則教授法」で、これが現在当塾でも指導している「直読直解法」のことです。
一方、「変則教授法」というのは、現在多くの中学や高校で行われている「訳読法」のことです。慶応義塾や東京専門学校(現在の早稲田)などの私学では英語のテキストはあるのですが、英米人の教授はいませんでした。従って、英語のテキストを訳読すれば事足りました。現在でもほとんどの中学や高校では「訳読法」で英語を勉強しています。
国際化が進み英語がより必要な今、英語教育の主流が「正則教授法(直読直解法)」ではなく、「変則教授法(訳読法)」になっているのはいったい何故でしょうか?
それは明治時代の後期、東京大学に日本人の教授が誕生し、また英語のテキストの翻訳にも成功したために英米人の教授が帰国し、その後の授業では直接英語を使う必要ががなくなったことが原因なのです。
このため「正則教授法(直読直解法)」は不要となり、以後の英語教育では「変則教授法(訳読法)」が主流になっていきました。それが今でも続いているのです。
現在、私たちがいるのは英語を話す必要がなく、英語で書かれた書物を通して学べばいいだけの環境なのでしょうか?いいえ、そうではありませんよね。現代は国際化が進み、世界の共通語として日々英語が必要な環境の中にいます。
皆さんは、将来仕事でもプライベートでも英語を使う可能性があるのです。すると、話すことができない「訳読法」ではなく、実用的な「直読直解法」で学ぶ必要があるのです。
最近の高校入試や大学入試では問題量が非常に増えていて、「訳読法」では太刀打ちできず時間が足りなくなっています。これは、共通テストの英語が使える英語力(=訳すことなく英語のまま理解できる力)を前提にしているからなのです。
今年1月に実施された共通テストのリーディングは総単語数が約6,000語です。高校生が英文を読むスピードは約75wpmなので、読むだけで制限時間の80分を使ってしまい解答する時間がありません。訳読では入試は戦えないのです。
英語のまま理解できる「直読直解法」なら訳読の生徒の約5倍のスピード(ネイティブの黙読スピード)で理解できようになります。これに切り替えれば30分で2回読んで、残りの50分で問題を解き、見直す余裕も十分あります。
文部科学省は本気で英語教育の改革に乗り出しました。共通テストを訳読や単なる受験テクニックでは戦えないものに変えたのです。本格的な英語力がなければ解けない問題に姿を変えました。でも、中学・高校の現場では追いついてないのが現状なのです。
昨年秋、塾生の一人が高校の英語の授業で次のようなことがあったと話してくれました。「今日は時間を計ります。このプリントを読み終わったら手を挙げてください。3分以内で読めれば、共通テストはなんとか時間内に解けます。3分以上かかるようだと時間内に解くのは難しいですよ。」と長文のプリントを配られたそうです。
2人を除いて、最も速かった生徒は約6分30秒。ほとんどの生徒は7~8分、一番遅かった生徒は10分を越えていたとのこと。皆、時間内に解けるようにするために速読の練習をするように言われたそうです。
除いた2人のうちの一人は帰国子女で、もう一人が塾生。塾生が読み終えて手を挙げたとき「この長文を以前に読んだことがあるのかな?そうでなければ、海外経験のない君がこんなに速く読めるわけがない・・・」と言われたそうです。帰国子女の方は何も言われなかったとか。タイムは二人ともほぼ同時で、約1分30秒だったそうです。
正則教授法の流れをくむ「直聞&直読直解法」は、英語のまま理解できるようになる学習法です。リスニングも長文読解も英米人のように訳すことなく直接理解できるようになります。
ぜひ、英語のまま理解できる「直聞&直読直解法」で将来使える本格的な英語を習得しませんか?
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