第2章 英語のまま理解できる「直聞&直読直解法」
(2)英語を話せるようにはならない「文法・訳読法」(返り読み式)
世界のあらゆる分野で才能を発揮し活躍している日本人が、こと英語の習得に限ると、とても苦労をしているというのは不思議な話です。私たち日本人に外国語を習得する能力が乏しいというのではなく「むしろ勉強法に問題があるのでは」と考えるほうが自然ではないでしょうか?
よくよく考えてみると、外国語を訳すことを以って、その外国語を身につけた、というのはおかしな話です。訳し方は身についたとしても、外国語そのものは身についていないからです。ここに文法・訳読法の限界があるのです。
したがって、中学・高校と6年も英語を勉強していて話すことができないというのは、ある意味当然のことなのです。授業では訳してばかりいて、英語そのものを身につけることをしていないのですから。
例えば、「漢文」 の勉強をしていても、中国語を話せるようにならないのは誰でも知っています。古い時代の中国語だということはさておき、学習法として返り点を付けて訓読、つまり日本語に直しているのです。
英語の勉強も、返り点こそ付けませんが、返り読みをして訳読するのですから同じようなものです。英語を話せるようになるはずがないのです。
訳読の授業をするなら、いっそのこと教科名を「漢文」 にならって、「英語」 ではなく 「英文」 とでもしておけば、この教科は訳すだけで話せるようにはならないのだ、ということが分かって親切だと思うのですが・・・。
そもそも「訳す」というのは英語の勉強というよりも、国語の勉強をしているようなものではないでしょうか?
「どう訳すか」というのは、実は日本語を考える作業なのです。訳すときに頭の中で考えているのは主に日本語であって、英語ではないのです。つまり、文法・訳読法は英語そのものではなく、英語について日本語で勉強しているにすぎないのです。 (将来、プロの翻訳家になるというのなら話しは別ですが・・・。)
要するに、日本人の能力に問題があるのではなく、教授法が根本的に違っていたということなのです。このことは、脳科学の研究からも明らかなのです。(ぜひ「脳内のウェルニッケ言語野」のDVDをご覧ください。)
今後、わが国の英語教育の主流が「文法・訳読法」 (返り読み式) から「直聞&直読直解法」 (ITメソッド: 通訳訓練法) に切り換わると、日本人全体の英語力が飛躍的に向上するのは確実です。
それは、武蔵ゼミナール大学受験英語塾の塾生たちの英語力が飛躍的に向上し、成績が急上昇していることからも確実に言えます。そうなれば、私たち日本人は今まで以上に、このグローバル社会でもっと国際貢献できるのではないでしょうか?
私も、塾生たちも、いつかそんな日が来ることを夢見て、日々 「英語直聞&直読直解法」(ITメソッド: 通訳訓練法) で一生懸命がんばっています!
(つづく)
※このオフィシャルブログで『英語のまま理解できる「直聞&直読直解法」』第1章~第3章を公開します。
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